科学研究費補助金 基盤研究(S

 百万画素サブミクロン分解能中性子ラジオグラフィ

ための固体超伝導検出器システム


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            2014/3/20  ニオブ(Nb)超伝導体とボロン10(10B)を用いた超伝導中性子検出器において中性子の検出に成功しました.

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    研究組織


            研究代表者 大阪府立大学           石田武和 教授

         研究分担者 名古屋大学           藤巻 朗 教授

         連携研究者 名古屋大学           田中雅光 特任講師

         連携研究者 上海微系統研究所        王 鎮  グループリーダー

         研究分担者 情報通信研究機構        三木茂人 主任研究員

         連携研究者 情報通信研究機構        牧瀬圭正 研究員

         研究分担者 大阪府立大学          四谷 任 客員教授

         連携研究者 大阪府立大学          宍戸寛明 助教

         基盤S雇用者 大阪府立大学          宮嶋茂之 特認助教

         研究分担者 日本原子力研究開発機構     町田昌彦 研究主幹

     連携研究者 日本原子力研究開発機構     太田幸宏 博士研究員

     連携研究者 日本原子力研究開発機構     小林恵太 博士研究員

         連携研究者 産業技術総合研究所       前澤正明 主任研究員

         研究分担者 産業技術総合研究所       高睦夫 上級主任研究員

         連携研究者 日本原子力研究開発機構     篠原武尚 研究員

         連携研究者 日本原子力研究開発機構     曽山和彦   研究主席・中性子基盤SL

         連携研究者 日本原子力研究開発機構     及川健一   研究副主幹

         連携研究者 日本原子力研究開発機構     原田正英   研究主幹

         研究協力者 日本原子力研究開発機構     新井正敏  ディビジョン長



4Kで動作する超伝導中性子検出器の動作実験に成功しました

従来の中性子検出器は大型で数千ボルトの電圧を必要としましたが、今回実証に成功した新型超伝導検出器は、小型で軽く、数ボルトの電圧で作動し、優れた空間分解能数(μm程度)を有し、中性子信号のパルス幅が1ns(ナノ秒)と従来法に較べて3桁高速で作動するなどの画期的な特長があります。

測定の原理は次の通りです。高品質のNb薄膜を微細加工して、Nbのつづら折りパターンを作成します(図1)。この中央部分に分子線エピタキシャル装置(MBE)で10Bを200 nm(ナノメーター)で成膜します。これに、電流を流した状態で超伝導状態になっているNb細線があり、積層されたボロン膜で中性子とホウ素原子核が核反応を起こすと、2.3MeV(百万電子ボルト)の大きな核反応熱がα線(He原子核)とLi原子核により運び出されNb細線の超伝導クーパー対の一部が破壊され、インダクタンスが変化するので、過渡的な電圧が発生します。クーパー対が冷却され再び結合すると、発生した電圧は消えます。中性子検出には、この過渡的な電圧パルス信号を計測します。

fig1

2014/3/12〜14に行った大強度陽子加速器施設J−PARC BL10:NOBORUにおける中性子照射実験で、実際に信号の検出に成功しました。図2に検出信号を示します。検出信号は中性子のシャッターの開け閉めで信号が現れたり消えたりする様子が観測されました。また、中性子検出数の時間変化もシュミレーションと良く一致することから、超伝導中性子検出器が確かに中性子をけんしゅつしていることを確認できました(図3)。

            fig2

            fig3

この超高速性は我が国の大強度陽子加速器施設J-PARCでの強いパルス中性子の計測に使える可能性があります。他にも、原子炉などの中性子強度測定、たんぱく質の構造解析用イメージング検出器(創薬への応用)、工業製品の中性子透過写真撮像用のイメージ検出器(非破壊検査)、中性子粉末構造解析装置の検出器(新材料の開発)などの用途に、超高速で作動する中性子検出器として期待されます。